代表挨拶


 みなさん、初めまして。代表の白旗隼です。

 ここでは、これまで私が経験したことと、【paradeiro】の結成に至るまでについて記載しています。

 現在(2020年)、保育士となり5年目を迎えました。仕事はもちろんですが、生活面での将来についても考える年齢になってきました。自分の将来への不安は、全くと言っていいほど消えません。だからと言って、ネガティブに生活している訳ではありません。

 むしろ、私は他の人よりも、やりがいを持って仕事をすることができていると感じています。もっと大きく言えば、楽しい人生を過ごすことができています。それを実感することが出来ているのは、たくさんの仲間がいるからです。この仲間たちと、保育について語り合ったり、自然体験を一緒に楽しんでいます。 

出会い


私は学生時代から「○○な保育をしてみたい」と想いを持ち、保育士として働き始めました。しかし、現実は全くうまくいきませんでした。日に日に当時の「想い」や「根拠のない自信」は薄れていき、数カ月後には「保育とは別の道へ歩こうかな」と考えるまで、とにかく悩んだ1年でした。 

 そんな時、私の話を「とにかく聞いてくれる人」に出会うことが出来ました。さらに、【ゼロ村牧場パカラッチョ】で開催されている「森の親子ようちえん」というイベントにも誘ってもらいました。

 この出会いがきっかけとなり、もう一度「想い」に向かって動き出すことができるようになりました。

※「とにかく話を聞いてくる人」とは、今勤めている保育園の理事長(当時

園長)

                                                                                   「森の親子ようちえん」とは、理事長が携わっている親子行事イベント。

 

「森の親子ようちえん」を通して


 私は、森の親子ようちえんのボランティアとして、3年間参加してきました。参加した親子と一緒に自然体験を楽しむことが私にとって最高のリフレッシュでした。さらに、回を重ねるごとに、参加してる保護者の方から子育ての悩み相談を受けたり、自分の子どもたち(保育)への想いを話すことが増え、お互いに「なるほど」「いいですね」など共感し合える経験ができ、保護者の方と話し合うことの楽しさを感じられる場へと変化してきました。

 3年目からは、知り合いの保育士もボランティアとして誘うようになりました。初めは、休みの日に誘うことに後ろめたさがありました。しかし、参加した保育士たちから「楽しい!」「また次も来たい!」など、予想外な反応がありました。そして、森の親子ようちえんの片づけや振り返りをしながら、互いにやりがいや、悩みなどを語り合うようになっていきました。

 ある時、「○○について悩んでて…」と話す保育士がおり、その悩みについてみんなで話し合いました決して「正解」を出し合えた訳ではありませんでした。しかし、その保育士は「聞いてもらえてよかった」「やってみるよ」と、前向きになることができていました。また、「実は、私も悩んでたけど、その話聞いたら自分の悩みの小さく思えて、なんか笑えてきた」と、一人で抱えてしまうと、とても大きな不安になってしまうことも話し合うことで、少し小さくすることができた保育士もいました。ここから私は、「あれ?初めは悩んでいた保育士の人も、話し合っている内に前向きになっている!」「あれ?親子ようちえんって親子だけではなく、保育士の交流の場にもなっている?」など、親子ようちえんを通して、語り合う必要性を感じました。

そして、今年の5月に、語り合いの場として、若手保育士サークル「paradeiro」を立ち上げることにしました。私たちの団体は、経験値が低いです。そのため、「より良い保育のためには○○が必要」など、明確な理念や考えや方法などが確立している団体ではありません。それでも、「いまの自分たちにできることはやってみよう」と想いを持って活動しています。

 

人から人へ


 長い人生の中でたったの5年間ですが、この5年間でさえ、私は何度も何度も壁にぶつかり、不安や悩むことの連続でした。それでも、立ち直り前に進むことが出来ているのは、「喜び」や「悩み」を共有し合える仲間ができたからです。たくさん方が日々の保育に「喜び」や「悩み」を感じていると思います。

 しかし、それを誰かと語り合い、共有する機会はあまり多くはないのではないでしょうか。私は、様々な人に助けていただく中で、語り合う機会をたくさん経験することができました。そして、「保育が楽しい」と感じられるようになりました。私が経験したような、心の変化を一人でも多くの方に経験してほしいと思い、できることから少しずつ挑戦していきます。